在宅勤務用のチェアの選び方について、色々情報が出回っているものの、なんだかんだ2020年に書かれた記事が少なかったり、比較検討対象が少なかったりです。
どうにも情報が足りないなーという感じがあるので、誰かの役に立てばいいな、ということで、投稿しておきます。
①前提
一応、検討の前提から。まあ、そもそも前提からして違う場合は、選び方も違ってくると思うので。
- 一日8時間以上デスクの前にいるような仕事
- 大きめのチェアでも置けるスペースがある
- 体格は170㎝ぐらいで中肉中背。
- 予算は費用対効果が良ければ30万円までOK。
②オフィスチェアのイメージ
調べてみたイメージですが、以下が大体の価格設定の印象です。
- 1万円アンダー…普通の椅子
- 5万円アンダー…そこそこちゃんとしたオフィスチェア
- 10万円オーバー…高品質ゾーン
- 20万円オーバー…超高品質ゾーン(もはや趣味)
よく名前をきくハーマンミラーのアーロンチェアやオカムラのコンテッサは20万円オーバーの超高品質ゾーン。
中古で買うのが(だいぶまえから)流行っているバロンチェアやコスパ重視勢が選ぶことが多いエルゴヒューマンは10万円オーバーの高品質ゾーン。
応接室やオフィスで「この椅子、座り心地良くね?」と思うのが5万円アンダーのちゃんとしたオフィスチェア、って感じですね。
高品質ゾーン以上を買う前提なら、メーカーとしては、ハーマンミラー、岡村製作所(オカムラ)、エルゴヒューマンに加えて、イトーキあたりの製品をひととおり抑えておけばいいんじゃないかなーという感じ。
オフィス家具メーカーとしてはコクヨとか、内田洋行とかもあるんでしょうが、10万円オーバークラスのものを当初の目線としておいているのであれば、あまり名前も聞かないし、彼らの主戦場じゃないんでしょう。たぶん。
③チェアの検討の仕方
・どう選ぶ?
身もふたもないことを言えば、正直高品質ゾーン以上のチェアだと座り心地はどれも良いので、デザインが気に入って、座ってみて価格と満足感が折り合うものを選ぶのが良いんだと思います。
とりあえず、ハーマンミラーとオカムラとエルゴヒューマンのサイトで、製品一覧を見て、気に入ったデザインのものを試座しにいく、という流れが一番丸いですね。
まあ、そうするとだいたいアーロンチェアかコンテッサセコンダが欲しくなるのですが。デザインもあか抜けてますしねー。
・試しに座りに行ってみよう
試座出来る店としては、色々あるのですが、大塚家具の有明本社ショールームは上記の3メーカーの主要な製品を試せて、土日もやってて比較的空いているという点でおすすめです。
価格も普通にネット価格に合わせてあるので、ほぼ最安値ですし。
ぼくが試座した感想としては、アーロンチェア≧コンテッサセコンダ≧コンテッサ>>>>>エルゴヒューマンプロ≧バロンチェア>>セイルチェアみたいな感覚です。
ただ、差額10万円以上出して、アーロンチェアやコンテッサセコンダを買うまで違うか、というと微妙なところでした。デザイン的にもめちゃくちゃかっこいいので、デザイン料だけで10万円出せちゃいそうでしたが。
(行く前はエルゴヒューマンいいかなーと思っていたのですが、ちょっとデザインがアレでした。座った感じは良いのですが、ガチャついていてちょっと独特です。)
尚、ぼくが割と好きなイトーキさんですが、ぼくが調べた感じ、イトーキのショールームに平日に行かないと試座出来ない、というハードモード設定なので、そこまで含めて頑張れるひと以外は厳しいですね。バロンチェア相当のアクトチェアとか、良さそうなんだけど…。
④チェアのオプションについて
ちょっと迷う要素として、背もたれをどうするか※、というのと、肘置きの有無&可動可否といったところがあると思います。自分が一番わかんねーなーと思って、感想を探したのもその辺でした。結構価格変わりますしね。
※エクストラハイバック(首まで支える)、ハイバック(肩まで支える)、ローバック(肩甲骨ぐらいまで支える)があるケースが多い。
ぼくの結論としては、背もたれについては「どっちでもいい」、肘置きについては「絶対有った方がいい、出来れば可動」です。
背もたれはローバックでも十分
背もたれについては、機能はエクストラハイバック>ハイバック>ローバックではあります。
ただ、エクストラハイバックの場合、その場で後ろに倒れこんで寝ることすらできる、というのがメリットになってくるわけですが、まあ在宅勤務なら寝たくなったら普通にベッドに倒れこめるので、あまり必要ない機能ではあるんですよね。
ローバックの場合、肩のあたりにフレームが当たる感じがする、という感想もあるのですが、よほど背中を倒す姿勢を取らない限り、気にならないので、別にローバックで十分です。
まあ、仕事中に取る体勢はだいたいローバックで足りますし、エクストラハイバックは家に置くとチェアが悪目立ちする、みたいな側面は多分にあると思います。
肘置きは可動肘置きを推奨
肘置きについては、どうしてもWeb会議中などでは手の置き場に困る部分がありますし、ちょっと考える姿勢の時もやっぱり置ける場所があった方が楽なので、ないとしんどいと思います。
可動しないと、机の下にチェアが入らないとか、ちょっと邪魔なタイミングで外向きにしたり出来ないので、少しストレスがたまりそうです。なので、まあ可動肘置きにしといた方が無難かと。
ランバーサポートは現在腰が悪くないなら必要ないのでは
ランバーサポートについては、素の背もたれで十分腰を支えてくれるので、必要ないかなーという印象です。
高品質ゾーンぐらいだとちょっと堅いので一長一短あるし、超高品質ゾーンになると必ず付いているかそもそもいらないか(コンテッサセコンダはそもそもいらないのでついてない)になるので、迷う余地があまりないですね。
⑤最大のネックは納期
新品だと納品まで2週間以上はザラ
で、ここまで新品を選ぶ体で書いてきてあれなんですが、高級オフィスチェアを買うにあたっての最大のネックは「納期」です。
ええ、10万円以上するオフィスチェアはだいたい受注生産なので、気に入ったのが見つかっても、2週間から3週間はかかるんですよ。
待てないなら中古になります
ぼくが最終的にバロンチェアのローバックを中古で購入した理由もまさに納期が原因で、普通に腰がやばそうだったので、早く欲しかったんですよね。
一番欲しかったのはデザイン的なものも含めて言えばオカムラのコンテッサセコンダ、次点でイトーキのバーテブラ03だったんですが、どちらも3週間はかかるようだったので、確実に翌週には手に入る中古品(オカムラバロンローバック約4万円)を調達してしまいました。
店舗に行けば即納や短期納品の可能性もあるかも…
アーロンチェアやコンテッサセコンダあたりを中古で購入する気には中々なれないと思うので、納期が限られているのであれば、中古の在庫があるものを確認したうえで、ワンチャン即納できる商品がある可能性に期待して店舗に試座しにいくのが良いのかもですね。
(大塚家具でも、いくつか納期が早いのがあったりしたので、タイミングが合えば、欲しいのが新品ですぐ手に入ったりするのかもしれません)
⑥中古で購入する際のコツ
気を付けるポイント
中古で購入する際に気を付けるポイントですが、製造年とどうしてこのチェアが中古市場に出てきたのか、という経歴の確認でしょうか。
チェアは長く存在するブランドも多いので、2003年製造と2016年製造が同じ土俵で中古市場を漂っており、注意しないとクッソ古い製品を割高につかまされる可能性があります。
オカムラの製品で言えば、製造番号6桁の下2桁が西暦の製造年なので、そこを見れば製造年を特定できます。歴史が長いバロンチェアの検討の際には特に有効です。
どう使われてきたかで摩耗度が違う
使用履歴という意味では、役員室・応接室に置いてあったチェアは比較的座られていないので、中古品の中でも、相対的に状態が良い可能性があります。
最近、オフィスを縮小する会社も多いので、そのあたりの出自のチェアが出やすくはなっており、ねらい目かもしれませんね。
中古品はどこで買う?
買う場所ですが、オフィスバスターなどの大手中古オフィス家具販売店だと、上記のいずれも困難なので、ヤフオクやメルカリでいったん探す動きはあるかな、と思います。
⑦まとめ
- 高品質なチェアが欲しいならハーマンミラーとオカムラとエルゴヒューマンのサイトを見て、目星をつけてから、ショールームに行くと良い。
- 背もたれはローバックでも良いが、可動肘はあるものを選ぼう。
- 新品は納品まで2,3週間かかるので、急ぐなら中古品を探そう。中古の場合は製造年に注意しよう。
というわけで。役に立ったら幸いです。
(番外編)ゲーミングチェアとイトーキバーテブラ03
ゲーミングチェアを検討する人もいると思うのですが、おそらく、オフィスチェア以上に室内のインテリアを破壊するので、自作PCが光る前提でサイバーな感じのインテリアにしている人以外にはちょっとおすすめできないかなーと思ってます。
イトーキがインテリアになじむゲーミングチェアを発売してますが、あんまり評判良くないですね。
あと、座面クッション、背中メッシュのチェアでも夏は結構蒸れるので、ゲーミングチェアだと余計蒸れるかな、と思います。
尚、文中で触れたイトーキのバーテブラ03ですが、家のインテリアを大事にするのであれば、ある種究極の選択肢のひとつだと思うので、一度、サイトを見てみるといいと思います
欲しかったけど、納期3週間で中古流通もないから買えなかった…。欲しかった…。